第2回 私のお気に入り

Raindrops on roses(バラをつたう雨だれや)
And whiskers on kittens(子猫のひげ)
Bright copper kettles(ピカピカの銅のやかんや)
And warm woolen mittens(あったかい羊毛のふたまた手袋)
Brown paper packages tied up with strings(紐で結ばれた茶色い小包)
These are a few of my favorite things(それが私のお気に入り)

雷を怖がって子どもたちがマリア先生の部屋にやってきた時、マリアが、こんなこと考えると楽しいね~と歌う「My favorite things(私のお気に入り)」。連日ニュースで伝えられるコロナの脅威に、逃げ場のない暗澹とした気持ちと閉塞感が漂います。さて、こんな時こそ、「私のお気に入り」を思い浮かべることにしましょう。

「サウンド・オブ・ミュージック」より

今回のテーマは「湯布院」です。

明るい陽射しにきらきらと輝く川沿いの道。
目の前には、ポコポコお山、由布岳。
桜の花びらを浴びながら、菜の花の匂いにむせてしまいながら、渡り鳥の鴨たちを眺めながらのウオーキング。
おしりをぎゅっと閉めて、膝を伸ばして、正面を向いて歩く、とアウラが誇る!バレエの藤田先生から教えてもらったけど、ここは湯布院。先生の教えはちょっと封印?(先生、すみませぬ)して、空を眺め、花を愛で、猫ちゃんに遭遇しながら、ただとろとろと歩きます。これが私のお気に入り。
久留米生まれの久留米育ち、そんな私のふるさとはもちろん久留米だけれど、若いころから親しんだ湯布院の町に、自分の原風景を重ねています。

♪うさぎおいしかのやま~、小鮒釣りしかのかわ~♪

多くの方が思っておられたと思うけど、ウサギが美味しいの?!と思いつつ歌っていたその風景が湯布院には残っていますね。
金鱗湖から流れてくる川には、小さな魚(ハヤとかウグイかな)がいっぱい泳いでいて、その魚を狙ったサギがいるのもお約束の風景。そういえば、温泉が流れ出ているからなのか、側溝のような小さな川にグッピー(熱帯魚)がいて、それを獲って職場の水槽に入れていたこともありましたっけ。ある時おなかが膨れてきて、小さな小さな赤ちゃんを産むんです。これは可愛かったですね。またある時は、すっぽんが日向ぼっこしてた時もありましたね。こいつも捕まえて自宅の水槽にいれましたが、大暴れして水槽に大打撃を与えてくれました。すっぽんは、飼うものじゃぁないですね。

いつの間にか、日本の有名な観光地のひとつになりましたが、それとは別に、いつまでも残っていてほしい、のどかな風景。湯布院の町。

イタリアンレストラン「QUERCUS(ケルカス)」

大好きなレストランもあります。
湯布院でお宿やイベントホールなどトータルに展開するDENグループが経営するイタリアンレストラン「QUERCUS(ケルカス)」です。
総支配人、岡松さんの湯布院愛とおもてなしの心にいつも癒され、つい、「ただいま」と言ってしまいます。

 また、若いシェフが生み出すオリジナルイタリアンが実に素晴らしいんです。地元の食材をふんだんに使って、おいしいのは当然。季節を堪能できるのももちろん。規定の概念にとらわれず、正に楽しい、美しい芸術。お料理って、こんなに楽しいものなんだなあと改めて思わせてくれる。

 ごゆっくりと言っていただくのに甘えて、あまりの居心地の良さに、ついつい長居してしまいます。
いつか持ち出し例会でもする機会があったら、ぜひ行きたいものです。

私の湯布院愛は、書き出したら止まらない位たくさんあるのですが、また、次の機会にいたしますね。
あっ、私も小さな家が湯布院にあって、一応、住民税を払っている由布市市民(住民票はないけど)でございます。
では、皆さま、ごきげんよう。

(記・堀川貴子)